健康差別とは?
今、世界中には基礎的な医療保険サービスを受けられない人が
世界人口73億人の半分、約36億5000万人いると言われています。
これらの多くの人は、病気になっても適切な治療が受けられれば、
また健康を取り戻せるのに、予防接種やワクチンといった
基礎的な医療保健サービスを受けられないことで亡くなっている命が
たくさんあります。
基礎的な医療保険サービスとは?
健康診断や予防接種、病気や怪我の治療、避妊などの性教育、
家族計画といった、人々の健康増進・予防・治療・機能回復のために
行われるサービスのこと。
世界では5才の誕生日を迎える前に亡くなる子どもたちが
年間約560万人もいて、
これは5秒に1人の子どもが命を落としている計算になります。
2016年の5歳未満児の年間死亡数約560万人のうち、
約8割は途上国である南アジア・サハラ以南のアフリカの子どもたちで、
彼らは大人になることさえもできずに亡くなってしまいました。
5歳未満児死亡率と順位(出生1000人あたり)
途上国の5歳未満児死亡率は、なんと日本の約44倍。
そして、5歳未満で死亡した世界の子どもたちの3分の1は、
肺炎、下痢性疾患、マラリアが原因で命を落としています。
1位 ソマリア 133人 2位 チャド 127人
3位 中央アフリカ共和国 124人 4位 シエラレオネ 114人
5位 マリ 111人 ・・・ 179位 日本 3人
途上国の子ども達が生活している環境の多くが、
大気汚染があったり不衛生な場所で、きれいな水を飲むことができず、
これらの病気にかかっています。
生まれた場所によって健康になれない、
大人になれない子どもたちが依然としてたくさんいるこの現状は、
どうすれば変えられるでしょうか?
この解決策の一つに、予防接種やワクチンがあります。
例えば、下痢性疾患で入院している5歳未満の子どもの40%以上の原因は、
重度の胃腸炎を引き起こすロタウイルスであると言われていますが、
このウイルスに対する安全で効果的な新しいワクチンは
既に開発されています。
また、2016年には、世界の約86%の幼児が
3種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日咳)の予防接種3回を
受けたことで感染症から保護されています。
1億1,650万人の乳幼児が3種混合ワクチンの予防接種3回を
受けている一方で、世界ではまだ1990万人の乳幼児が予防接種を
受けられていない為、本当なら生きられるはずの子どもの命が
奪われ続けています。
差別されることのない「健康」
私たちが知らずに人を傷つけてしまっている「差別」。
そして、世界中では、私たちが暮らす日本では
考えられないような男女の違いによる差別や、
「性」のあり方に関する差別もまだまだ残っています。
世界中の皆さんが健康で過ごせますように。